
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
「これから絵を始めたい!」と思った時、
どの画材で描こうか悩んだことはありませんか?
なかでも似たような表現ができる
アクリル絵具 と 油絵具 ・・・
どこがどう違うのか
見た目も似ているので悩んでしまいます。

ほんまに見分けつかん!
そこで今回は、
アクリル絵具と油絵具の
特徴・メリットとデメリットを解説していきます。
「この画材を使ってみたい!」と
思えるきっかけになれば嬉しいです◎

うさぎもしりたい!
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アクリル絵具とは?

まずは アクリル絵具 からみていきます。
▪ 特徴
アクリル絵具は
水性の合成樹脂をベースにした水性の絵具で
乾燥がとてもはやいです。
乾くと耐水性になるのと
絵具をどっしりのせる盛り上げた表現もできるので、
水彩と油彩のいいとこどりのような存在でもあります。

もはや
アクリルで決まりなのでは・・・
▪ メリットとデメリット

管理人が思う
長所と短所を
簡単にあげてみます。
メリット
デメリット
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乾燥がはやくて作業がスピーディー
絵具チューブから出した絵具を薄塗りした場合、
15分〜30分程でほぼ指につかない程度に乾きます。
乾くのがはやいので
どんどん重ね塗りしていくことが可能。
「短時間で一気に描きたい!」という人におすすめです◎

絵具を「ぼてっ!」と
厚く塗る場合は
乾くのにもっと時間かかるんやな。
水で筆を洗えるので後片付けが簡単
油絵具とちがって後片付け専用の道具は不要です。
筆とパレットも
石けんと水だけで洗えるので初心者さんでも安心です◎
においが少なく室内でも安心して使える
アクリル絵具はほぼ無臭です。
部屋にこもって描いても頭が痛くなることはありません。
小さなお子さんやペットがいる家庭でも扱いやすいです。
絵具の種類がとにかく豊富
近年では100均でも手軽に手に入るアクリル絵具。
「とにかく気軽に試してみたい!」という人におすすめです◎
また、定番色の他にも
光の当たりかたで色彩が変化する偏光絵具や
ラメやパールが入った絵具も展開されていて、
お気に入りの色を探すことも楽しめます。
乾くのがはやいのでじっくりは描けない
速乾性はメリットでもありますが、
グラデーションやじっくりしたぼかし表現には不向きです。
一度乾いてしまうと水では再び溶けないので、
時間をかけて色を調整したい人には少し扱いづらいかもしれません。
また、使い終わった筆をそのまま放置すると
絵具が固まってしまい、バッキバキになります。
使い終わったらすぐに洗う習慣をつけるのが大切です。

筆固め隊である管理人の
やらかした時の対応策を
チラリとご紹介・・・
固まってしまった絵具は、
ぬるま湯に浸したり、専用のブラシクリーナーを使って
やわらかくしてから洗うのがおすすめ。
それでもどうしても落ちない場合は、
アルカリ性の専用溶剤もありますが、
筆が傷みやすいので最後の手段として使いましょう。
厚塗りや油絵風の質感表現には限界あり
アクリル絵具は
メディウムや質感を調整するペーストなどを使って
厚みを出すことが可能です。
乾くと大体プラスチックのような印象の見えかたとなり、
油絵のようなやわらかくて重たい質感にはなりにくいです。
質感表現・・・
このあたりは好みにもよるので、
「油絵のような質感を再現したい!」という方にとっては
少ししっくりこないと感じる特徴となります。
乾くと色がやや暗くなる傾向
アクリル絵具は乾くと
絵具に含まれていた水分が蒸発することにより、
少しだけ色が濃く暗く変化して見えます。
描いている時と乾燥後で
色味が微妙に変化するのがアクリル絵具の特徴です。
仕上がりの色を予測するためには、ある程度の経験が必要です。
油絵具とは?特徴とメリット・デメリット

次に油絵具についてみていきます。
▪ 特徴
油絵具は、
顔料(色の元となる粉)を
乾性油(主にリンシードオイルなど)で練り合わせた絵具です。
古くはルネサンス時代(15世紀頃)から使われており、
深い色彩と質感、重厚な表現ができる画材となります。
アクリル絵具に比べて
乾燥に時間がかかる分、じっくり描けるのが特徴です。
▪ メリットとデメリット

管理人が思う
長所と短所を
簡単にあげてみます。
メリット
デメリット
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重厚な雰囲気を表現しやすい
油絵具は色の深みと
光を含んだようなツヤ感が特に印象的な絵具です。
顔料を包み込む乾性油が光を透過・屈折させることで、
内側からにじむような奥行きのある色彩を
うみだしてくれます。
透明な絵具を重ねて描くグレージング技法にも向いていて、
繊細な光の表現や立体感も演出できます。

何層もレイヤーを重ねてく
イメージやな。

正しい手順で行えば
厚塗りや何層にも渡る重ね塗りにも
耐えられる丈夫な画面を作れます。
乾燥が遅いためじっくり描き込める
乾燥に数日から数週間かかるため、
時間をかけた描きこみが可能です。
絵具の乾燥が遅いことで可能な表現は、次の通りです。
以上のように、
一筆一筆にこだわった表現がしやすくなるという
利点があります。
絵具の乾燥後もほぼ色が変わらない
油絵具は乾燥による色の変化が非常に少ないのが特徴です。
絵具の成分である乾性油が水のように蒸発するのではなく、
ゆっくり酸化してそのまま固まることで、
色の透明感や彩度を保ったまま定着することが理由です。

塗った色がほぼそのまま
キャンバスに残ってくれる
安心感があります。
乾燥が非常に遅く、制作に時間がかかる
油絵具の最大の特徴でもある「ゆっくり乾く」という性質は、
制作スケジュールによってはデメリットにもなりえます。

具体的には
展示会やプレゼントなど
納期がある場合があげられます。
うすく塗った部分でも表面が乾くまでに数日、
厚塗りの場合は1〜2週間以上かかることも。

冬だと
乾きがいっそうわるいって
きいたことある・・・
また、絵が完成した後にニスを塗って保護するわけですが、
本格的にニスを塗る場合は
半年以上の乾燥時間を設ける必要があります。
これらのことから、
油絵はすぐに完成させたい方にはやや不向きかもしれません。

対策はないんか?
乾燥がゆっくりな油絵具。
ちょっとした対策方法もあるので一応ご紹介します。
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速乾タイプの溶き油や乾燥促進剤を使用する
あたたかい場所や風通しのよい環境で乾燥を促進
以上のような工夫で、
乾燥までの時間を半分以下に短縮することも可能です。
冬の寒い時期に
あたたかい場所を作る方法としては、
電気毛布などの上に絵を置いて、
その上から段ボールでふたをする方法があります。
やさしい方法なので試してみてください。

絵具と段ボールは
くっつかないように
要注意です。
専用の溶剤が必要
油絵具はアクリル絵具と違ってにおいがします。
油絵を描く上で欠かせないのが、テレピンやペトロール。
筆を洗ったり、絵具をやわらかくするために使いますが、
独特のにおいが強いのが特徴です。
換気が十分でないとにおいがこもってしまい、
頭痛や体調不良を感じることもあります。
アレルギー体質の方や小さなお子さん、
ペットがいる場合は特に注意が必要です。

ぺトロールは
無臭タイプの商品も
展開されています。

「ツン!」とした
においがするのよね。
窓を開けて換気をしっかり行う
揮発性の低い、においが弱いタイプを選ぶ
換気扇や空気清浄機を併用する
使い捨ての手袋やマスクの着用もおすすめ

かくいう管理人は
においが気になったことは
一度もないです・・・
筆やパレットの洗浄が手間で、管理が大変
油絵具の片付けでは、専用の溶液などが必要です。
はじめて油絵をトライする方にとっては、
少し手間がかかるように感じられるかもしれません。
- 筆についた絵具を布や紙でしっかりぬぐう
- 筆洗液またはテレピンで洗う
- さらに石鹸と水道水で丁寧に洗い流す
- 風通しの良い場所で自然乾燥

使った筆を放置しとったら
カチコチになってもーた・・・
洗い忘れてカチカチに固まってしまった筆・・・

すてるしかないのかしら・・・
そんなときは ストリッパー という
強力な溶剤で復活させる方法もありますが・・・
困った時に常用しすぎてしまうと
筆先がバサバサに傷んでしまうので要注意です。
パレットは紙タイプの物を使用すれば、
使い終わったらそのまま捨てられるので、
「掃除したくない派」にはとってもおすすめです。

管理人は
もちろん紙パレット派です。
道具代がかかりやすい
油絵を始めるにあたって、
『予算を最小限に抑える』をテーマに
最低限必要な画材についてまとめた記事があります。
近頃では百均でも
油絵具の画材がある程度そろいます◎
絵具の他、
パレットやキャンバス、筆、パレットナイフなどを
見かけたことがあります。

100均画材の使用感は
改めて記事をまとめます。
初心者が選ぶべき画材はどっち?

アクリル絵具と油絵具の特徴を
みてきましたが
「結局どちらが初心者向けなの?」
と思う方も多いのではないでしょうか。

はじめてだから
まよっちゃう!
それぞれに魅力があるので、
一概に「これが正解!」とは言い切れませんが、
初心者目線で選ぶときのポイントを
いくつか整理してみました◎
▪ 気軽にはじめたい ▶▶▶ アクリル絵具
アクリル絵具は…
- 水で描ける
- 道具が少なくてすむ
- 乾燥がはやく、すぐに次の作業に進める
- 値段も比較的リーズナブル
以上の点から、
「今すぐ絵をササッと描いてみたい!」という人にぴったりです。
換気や後片付けの手間も少ないので、
家でのんびり描きたい人にもおすすめです◎
▪ 質感や重厚感・絵画らしさを楽しみたい ▶▶▶ 油絵具
油絵具は…
- 深みのある色彩表現ができる
- グラデーションや重ね塗りに強い
- 時間をかけて描き込める
- アートとしての完成度を追求したい
以上の点から、
「本格的に絵を学んでいきたい」
「クラシカルな画風に憧れる」という人に
ぜひ一度は触れてみてほしい画材です◎
▪ 総評|こんな人におすすめ!
絵を描く時に求めることは
人によって異なると思います。

サッサと完成させたい!

じっくり描きたい!
求める内容によっての
アクリル絵画と油絵のどちらがおすすめかについて
表にまとめてみました◎
こんな人は… | アクリル絵具がおすすめ! | 油絵具がおすすめ! |
---|---|---|
片付けを楽にしたい | 水で洗うだけ | × |
短時間で完成させたい | 乾きがはやい | × 乾燥に数日~半年以上 |
グラデーションをじっくり描きたい | × | |
本格的な美術表現を学びたい | △ | |
ニオイ・アレルギーが心配 | × | |
あまりお金をかけたくない | △ 百均などを上手に活用すれば コストを抑えられる |
▪ 管理人は油絵派|でもアクリルにも大きな魅力があります!
結論からお伝えすると、
管理人の好きな画法は「油絵(油彩)」です。
その理由は、
絵具の乾燥までにかかる時間が長いことで
じっくりと描くことができるからです。
色をこねたり、何度も手を加えたり、
納得がいくまで絵具を
キャンバス上でこねくりまわすことが可能な点が
管理人の油絵推しである一番の理由です。
アクリル絵具にも
遅乾メディウム(リターダー)がありますが、
それでも油絵具ほどの余裕はありません。
ただし、
アクリル絵具には油絵具にはない魅力があります。
まず、絵具のバリエーションが非常に豊富なところ。
例えば次のような製品がそろっています。
- 偏光絵具(見る角度によって色が変化する)
- ラメ入り、メタリック、蓄光カラーなどの特殊色
- グリッター、パール など
また、
アクリル絵具用の
メディウムも充実しているのが大きな特長です。
ツヤを調整するグロス/マット系のメディウムをはじめ、
ひび割れ・ざらざら質感・ジェル・グレージングなど、
表現の幅を大きく広げてくれる素材が簡単に使えます。
扱いやすさと応用力の高さは、
アクリル絵具の大きな魅力です◎
初心者でも実験的な表現に挑戦しやすい点も
アクリルの大きな強みといえます。
管理人もアクリル絵具と油絵具を併用しています。
両者の長所を活かした
ミクストメディア的な使い方もおすすめです。
どちらが優れているかというよりも、
自分の表現スタイルに合った画材を見つけることが大切です。
まずは試してみて、
自分にしっくりくる絵具を選んでみてください◎
まとめ|アクリルと油絵、初心者におすすめはどっち?

今回の記事の
おさらいまとめです。
1. アクリル絵具は扱いやすく、自由度の高い表現が可能
- 乾燥がはやく、手軽に始められる
- 水でうすめて使えるので、初心者にやさしい
- ラメ・偏光・クラックなど、
特殊な表現もメディウムで簡単にできる
2. 油絵具は深みのある色と重厚な表現が魅力
- 発色が鮮やかで、重ね塗りもしやすい
- 乾燥がゆっくりなので、じっくり描き込める
- 落ち着いた雰囲気やリアルな描写がしやすい
3. 最後に|どちらも試して、自分に合った表現を!
最初は迷うかもしれませんが、
余裕があれば
どちらの画材も試してみると
自分に合った表現がより見つかりやすいです。
絵具選びや表現方法に「正解」はありません。
個々の制作スタイルや表現したい世界に合う画材を
楽しみながら見つけられますように・・・◎

最後までお読みいただき
ありがとうございました!