
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
「公募(団体)展に出す意味って、本当にあるのかな?」
そう考える人は、結構多いと思います。
実際、公募団体に所属していなくても、独自の方法で作品を売っている作家も少なくありません。
だから、公募(団体)展に出すことが 成功の絶対条件 とは言い切れないのです。
それでも、公募(団体)展に挑戦することで、得られるメリットも確かにあります。
この記事では、管理人の実体験をもとに、公募展の良い面・悪い面を客観的に解説していきます。
これから公募展に挑戦しようか迷っているあなたの判断材料になれば幸いです。

正直いうと
毎年続けるか続けまいか
悩みつつ会に所属しています。
公募展(二科東京支部展)に初挑戦した時のこと
管理人が初めて公募展に挑戦したのは、二科東京支部展 でした。
当時は50号~100号というサイズ規約があったので、F50号に挑戦しました。
油絵をはじめて約1年が経った頃、カルチャー教室の先生にすすめられるまま出品を決めた感じです。

後先考えず何でも
飛び込んでしまうタイプです。

意外とアクティブなんやな。
入選通知は郵送とのことでしたが、それが届く前に会期が始まったので、とりあえず会場へ行ってみました。
ウロウロしてたら「・・・あ、あった!」という感じで入選がわかり、自分の作品が美術館に飾られていることに感動しました。

入選通知は
その日帰宅したら届いてました。
二科展では作品の勉強会や批評会もあり、管理人はそれをとても楽しんでいます。
「批評会は苦手・・・」という方もいますが、作品を客観的に評価してもらえることは、自分で気付かない弱点を見つけるきっかけにもなるので、覚悟を決めて参加するのがおすすめです◎

余談ですが・・・
会期終了後に
入選&懇親会のお知らせが
留守電に入ってたことを知りました。

・・・ほんま
しょうもないやっちゃな。
二科東京支部展について、応募手順含めまとめた記事です。今後、出品する際の参考に◎
公募展に出すことで得られた5つのこと

率直に言いますと・・・
公募展に出したからといって、すぐに絵が売れたり、有名になれたりするわけではありません。
でも、管理人自身が何度か出品してきた中で、「出してよかった」と感じることがいくつかあります。
公募団体展に出すことで得られた 5つの意外な収穫 について紹介していきます。
① 締切ができる=描くペースが上がる
応募するには、まず締切があるので、それまでに仕上げる心意気とプランが必要です。
「ちゃんと仕上げよう!」という心意気は、創作活動を続ける上で最も必要な気持ちです。
「あとで描こう」ではなく、「●月●日までに仕上げる。今、描こう!」という習慣が出来ることは、公募団体展に挑戦する大きなメリットだと思います。
② 技術の向上を実感できる
自分の作品を人前に出すということは、今の自分の実力と向き合うことでもあります。
誰かが見ることを想定して描くことで、構図・色使い・仕上げに対する意識は変化していきます。

伝わらない絵だと
不特定多数の人々が見る場へ
発表する意味はありません。

日記に書く文章は
自分だけわかればいいけど
誰かに読んでもらいたい小説とかは
そうはいかんもんな~・・・
結果的に、作品全体のクオリティが上がっていきます。
③ 評価や実績として残る
入選すれば画家の履歴書である画歴に書けます。
作家プロフィールやポートフォリオに添えると、「実績がある人」という見方がされることがあります。
特に百貨店やギャラリーでの展示を目指すなら、実績としてアピールできることは、強みのひとつになります。

バイヤーさんがお客さまへ
作家について紹介する際の
ネタのひとつになります。
④ 人とのつながりができる
会場で他の作家さんと話せたり、先輩作家からアドバイスをもらえたりすることがあります。
公募団体によっては、百貨店でのグループ展や、画商さん・ギャラリーの方に繋げてくれるパイプがある所もあるので、そういった点もよく調べて出品先を決めるのも良いと思います。
⑤ 少しだけ「自信」がつく
絵に対して自信が持てなかった人が、入選や講評を通して、少しずつ自分の絵に自信が持てるようになったという話をよく聞きます。

管理人には
よくわからない感覚です。

酷評されても
へこんだことないもんな。
公募展の「苦いところ」

公募団体展に出品することは、メリットばかりじゃありません。
いくつかの公募団体への出品歴がある管理人が感じた しんどさ や 引っかかり についても、リアルな声として残しておきます。

正直なところ
知りたいもんな!

・・・本音しか言わないけど
大丈夫かなぁ・・・
① お金がけっこうかかる
出品料の他にも、額装代・搬入出の料金・遠征費・・・
1回の出品でも、軽く数万円はかかります。

絵が売れる前に破産の危機?!
特にF50号以上の大作を出すとなると、キャンバス代含む材料費や搬入搬出の手間もかかるので、人によっては「二度と嫌!」と思うかもしれません。

大作は個展やグループ展に出しても
よほど名の売れた作家でなければ
売れないことがほとんどなので、
『描き上げた絵、どうすんだ問題』が
深刻化します・・・
② 入選・落選に左右されるリスク
入選すれば嬉しいけれど、落ちた時のダメージを想定しておくことも重要です。
「絵がダメって言われた気がする・・・」と思い、自信をなくして描くことを辞めてしまう人もいる程です。

自称落選回数日本一の管理人は
落選しても気にしてませんがね。
審査基準は明確じゃないことも多いので、落ちた=作品が悪いというわけではないのが現実です。
というのも、ある公募展で落選した作品が、他の公募展で受賞するという経験を度々しているためです。

もしも落選してしまったら、
「審査員の好みじゃなかったんだな~」
くらいに思っとくのが正解です。

審査員も人間やから
絵でない部分で選ぶって現実も
なくもないんやて。
③ 人間関係が独特で疲れることも・・・
団体によっては、 上下関係 や 内輪感 が強く、新人にはハードルが高いと感じることもあるようです。
純粋に絵を楽しみたいだけなのに、「空気読めよ」的な雰囲気に気をつかう場面もあったり。
挨拶しても無視する人もいます。

会の中で出世している人の中には
常にふんぞりがえっている人も
結構いますよ。

どんな世界も同じやな。
団体によって人間関係のカラーも違うので、良い感じの人が多いアットホームな団体もあれば、新人いびりみたいなことをする人がちらほらいる団体もあります。

観察していると面白いですよ!
④ 入選=売れる・評価されるではない
「入選=プロとして認められた!」
・・・そう思いたくなるかもしれませんが、市場価値や収益には直結しないことが多いというのが現実です。
SNSなどで発信していると、「公募展?よくわかんないけどすごいの?」という反応もよく見受けられます。

毎年続けて出品し
実績を積んでいく・・・
この姿勢が大切です。
絵で生計を立てていくには、公募展以外の選択肢や戦略も大切です◎
結論|過度な期待は禁物
公募展は、あくまで1つの経験値として捉えるのが正解です。
自分の持てるパワー全てをかけてしまうと、メンタル的にもコスト的にも辛くなってしまうので要注意です。

管理人の場合、
公募団体展には
10ある内の2~3くらいの
パワーを費やしています。
管理人が公募団体展への出品を続けている理由
ここまでに書いたように、公募展にしんどい面があることも事実です。
それでも、管理人は今や二科会の会友となり、毎年出品をしています。
会友になると年会費やら何やらかんやら、出費もそこそこ増えるわけですが、それでも辞めないのには理由があります。
続けていることで得られることが、確かにあるんです。
① 締切があると絶対に絵が仕上がる
管理人は怠け者です。
特に展示の予定もなく絵を描いていると・・・
「今日は筆が進まないから、続きは明日にしよう」
「この絵は何かもう飽きたから、仕上がってないけど新しいの描いちゃおう」
・・・こんなことをしてしまいがちです。
でも、公募団体展には明確な締切があります。
また、大作を年に1点でも描き上げることは、画力の向上にも繋がります。
このような理由から、公募団体展への出品を続けています。
② 自分の「制作筋」が鍛えられる
毎回テーマに悩み、構成に悩み、色にも悩む・・・
その 悩む工程 こそが、絵描きとしての筋トレなんだと思います。

毎年1回 全力で取り組める イベントって、
大人になると貴重ですよね。

文化祭みたいな感じやな!
③ 少しずつ積み重ねた実績が効いてくる
1回だけの出品では、正直何も変わらないと思います。
ですが、3年・5年と継続して出し続けていると、見る人の目も変わっていきます。
- 団体の中での認知度があがる
- プロフィールの実績がそれっぽくなる
- ギャラリーや作家仲間との繋がりが出来る

実力と継続の掛け算で、
信用できるという気持ちが
じわじわ増えるみたいです。
結論|続けることは描き続ける理由になる
公募展は最終的なゴールではありません。
でも、1つの通過点として「今年も出そう」と思えることは、描き続ける理由になっていると思います。

制作と向き合う時間を持つことが
何よりの収穫なんやな!
これから公募団体展に挑戦する人へ

初めての公募団体展への挑戦。
「本当に出して大丈夫かな・・・」
「恥ずかしくないかな・・・」
不安に思うこともあると思います。
でも、安心してください。
誰もが最初は はじめて です。
ここからは、管理人がこれまでに経験してきたことをもとに、これから挑戦する人へ向けてのメッセージを徒然していきます◎
今ある力を出し切った作品で挑戦しよう
「これで落ちたら恥ずかしい・・・」と思って、過去に描いた自信作を出したくなる気持ち、ありませんか?

あるある!
めっちゃあるで!!
でも、公募展は 今の自分を試す場 です。
出品規約に【過去○年以内に制作したモノ】と細かく指定されてる場合もありますので、できる限り新作を用意しましょう。

管理人はまだ会友になる前は、
表現方法は固定して
毎回 今描きたいモチーフ で勝負してました。

とは言っても
毎回表現方法もモチーフも変えてると
あまり評価されずらいらしいで。

表現方法(色彩とか描きかたとか)
もしくは
モチーフ(描くモノ)の
どちらかは固定しましょう。

毎回全然違う絵を出してると
「コイツ何したいの?」と
思われちゃうそうな・・・
サイズは無理せず出しやすい規格でOK
初参加でいきなりF100号に挑戦!
・・・という心意気は最高です◎
可能であれば、作品規約の最大サイズの作品で挑戦したほうが良いです。
とはいえ、現実的な話をすると・・・
- 額装や輸送の手間・費用
- 画面構成の難しさ
- 保管場所の問題
など、物理的コストがかなり高いです。
秋に開催される二科展の場合、サイズは50号からF100号までです。
管理人が初めて挑戦した時は、50号で勝負しました。
気になる団体は『見に行く』が正解
団体によって、雰囲気や求められる作風は大きく異なります。
- 実際に展示を見る
- 作品の傾向や空気感を感じる
- 「ここなら出してみたい」と思えた団体に出す
このステップを踏むことが、一番失敗しにくい選びかたです。

特に画家として活動を始めたい場合は
ギャラリーからの賞がある団体を
選んだほうが絶対に良いです。

受賞できれば
デビューに直結やもんな。
結論|公募団体展はプロの入口ではなく研鑽の場
くどくなりますが、大切なことなのでもう一度言います。
公募団体展は、プロを目指すためだけの場所ではありません。
- 今の自分の表現を試したい
- 絵描きとしての自分を育てたい
- 制作のきっかけがほしい
そんな気持ちを持っているなら、出す意味があると管理人は思っています。

逆にプロになることだけを考えるなら、
百貨店での個展・グループ展の企画に熱心な
ギャラリーが主催するコンクールに出した方が
良いと思います。
まとめ|公募団体展は道のひとつ

公募団体展に出すことは、正解でも不正解でもありません。
目的は人それぞれです。
- 自分のペースで描きたい人
- 人に見てもらいたい人
- 実績を作りたい人
- とにかく描き続ける理由がほしい人・・・
管理人自身、公募展に出すことを迷っている時期もありました。

正直毎回迷ってる。
だって色々と高いんだもの・・・
毎回迷いながらも出品を続けている理由は、なんだかんだで毎回成長のポイントがあるからです。
公募展に出す意味があるかどうか——
それは誰かが決めることじゃなく、自分の中でどう活かすかにかかっています。
公募団体展への出品は、後からその意味が生まれてくるものだと、管理人は思っています。

最後までお読みいただき
ありがとうございました!