
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
管理人はとあるカルチャースタジオにて だれでも気軽に簡単に をテーマとした大人向けおえかき講座を月に3,4回程担当しています。
使用する画材もいろいろで、色鉛筆・水彩色鉛筆・マーカー・油絵・ソフトパステルのいずれかを順番に使っています。
今回の記事では、絵を描くことの一番はじめの難関 色塗り前の線画 をどう描くか その手法を3つご紹介します。

線画がにがてな
うさぎもしりたい!
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線画とは?
線画 とは、絵に色を塗る前の段階で、線のみで描かれた状態の絵のことをいいます。

ぬりえ帳のいろぬりまえが
線画ってことね。
線画を描くことは、絵を描く上での第一関門ともいえるくらい初心者さんには高い壁だと思います。

線画がうまくいかないと
絵を描くことを
投げ出したくなります。
一般的にいう “上手な絵” を描けるようになるには、才能うんぬんの問題ではなく、ただひたすらたくさんの絵を描く他ありません。
逆にいえば、たくさん絵を描けば、誰でも絵がうまくなる ということです。
数をこなすには毎回線画でつまづいて挫折してしまっては、いつまでたっても絵が上達しません。
「絵を描くことは意外と簡単かも!」と思うことが上達への一歩となりますので、なれない内は線画は簡単にチャッチャとすませてしまいましょう◎
線画の描きかた3つ
今回は、線画の描きかたを3つご紹介します。
それぞれの難易度と作業の細かさを ★ で評価してみました。

かんたんそうなのから
おしえてね。
1. 転写して描く
難易度
細かさ
▪ 転写とは
美術における転写は、事前にじぶんで描いた素描や下絵を使うことが一般的ですが、絵を描く前の下準備は正直めんどうです。

下絵がうまくいきすぎると
改めて同じ絵を描き直すことが
億劫になってしまったり・・・

ほんばんのほうが
うまくいかないこと
よくあるな~・・・
写真をそのまま使って転写すれば、それらの不安は解消されます。

でも
写真をそのままうつしてたら
だれでもおなじ絵に
なっちゃうんじゃない?
写真をそのまま写しても、描くことになれないうちはじぶんの クセ がまだわかっていないので、まったく同じ絵が量産されるという心配はありません。
はじめて字を書く練習をはじめた頃を想像してみてください。
お手本をなぞることをした記憶があります。

お手本をなぞっているのに
何故か100%お手本通りの文字は
書けなかった記憶が・・・
文字よりも絵のほうが複雑な線の集合体なので、写真をなぞることで形は正確に取れつつも個性のある線画が描けると思います。

でもでも
ずっと写真をなぞってたら
絵がうまくならないんじゃない?
なぞることからはじめた文字も、気付けばスイスイっと書けるようになっています。
安心して写真をなぞって、描く経験値を積んでいきましょう◎

無心でなぞるよりも
形を意識しながら
線をなぞっていくと
経験値のボーナスアップです!
▪ 必要な道具

ひとつずつみていきます。
モチーフを描きたいサイズで印刷した紙
例えば、サムホールサイズに描くのであれば、描きたいものをサムホールサイズでプリントします。
サムホールサイズは 22.7 × 15.8cm です。
A5サイズは 21 × 14.8cm なので、サムホールのほうがほんの少し大きいくらいになります。
手元にある描きたいもののサイズが例えば10cm × 10cmだとします。
コピーする場合の倍率の計算方法は以下の通りです。
【22.7cm にあわせる場合】
▶ ▶ ▶ 22.7 ÷ 10= 2.27
227%拡大でコピー
【15.8cm にあわせる場合】
▶ ▶ ▶ 15.8 ÷ 10 = 1.58
158%拡大でコピー

ひとつ問題です。
F3号に絵を描こうと思います。
手元にある写真が 15 × 11cm の場合、
何%に拡大でしょうか?

F3号は
27.3 × 22cm だから・・・
【27.3cm にあわせる場合】
▶ ▶ ▶ 27.3 ÷ 15=1.82

182%だね!
【22cm にあわせる場合】
▶ ▶ ▶ 22 ÷ 11=2

200%!
鉛筆(2B以上の濃さ)
鉛筆を寝かせて勢いよく広い面積をぬったとき、色が濃くつく芯のものを選びます。
鉛筆(HB以下のうすさ)もしくは ボールペン
写真をなぞるときに使います。
ある程度の筆圧をかけても芯がくだけない程度のかたさが必要となります。
ボールペンはジェルインクだと乾きがゆっくりめなので、手でスレてプリントした画像の紙が汚れてしまうという難点があります。
・・・が。
管理人のなぞる用のおすすめボールペンはジェルインクのこちらです。

ジェルインクボールペンの中でペン先が細いので、ゴチャゴチャした細かい部分の描写も簡単にできます!
難点は、意外とインクの減りがはやいため、コスパを重要視する場合は鉛筆のほうをおすすめします。

管理人は鉛筆の場合
4Hがお気に入りです。
▪ 手順
1.描きたい写真や画像を印刷する
写真や画像を描く支持体(キャンバスなど)のサイズに印刷します。
2.印刷した紙の裏面(白紙側)を鉛筆で黒く塗りつぶす
2B以上の濃いめの鉛筆を使うことがおすすめです。
鉛筆で印刷した紙の裏面、白紙部分の全体を黒く塗りつぶします。
塗る面積が広いので、鉛筆は寝かせて塗ったほうがはやいです。
全体を黒く塗りつぶしたら、ティッシュで鉛筆の粉を紙にすり込むようにすると、余分な粉がある程度落とせて、支持体が変に黒っぽくならずにすみます。
3.支持体の上にコピー用紙を重ねる
支持体に 2.で準備した用紙を重ねます。
マスキングテープで支持体と用紙2~3辺を固定します。

4辺すべて固定してしまうと
きちんと転写ができているか
ペラッと確認することが
できなくなってしまいます。

ぜんぶなぞりおわってから
なにも転写できていなかった!
・・・なんてことあったね。
4.写真や画像の輪郭線をなぞる
筆圧をある程度かけながら写真をなぞります。
どの程度の筆圧が必要か、少しずつ試して確認しながらよい感じの筆圧をじぶんで体得します。

あまり筆圧を強くしすぎると
紙がやぶけます。

筆圧がよわすぎると
うつらないのよね。
▪ ポイント

なぞるといっても
どこをどう
なぞればいいのかしら?
形の輪郭線をすべてなぞります。
布や背景に柄がある場合、そういったものも描く場合はガラも全てなぞり写します。
影や光があたっている部分も後で色を塗るときの参考になるので、そこも写します。
完成したときの理想が写真に近い写実画を目指す場合、色と色の境目も目印をつけておくと、リアルによせた色塗りがしやすくなります。
2. グリッド線を使って描く
難易度
細かさ
▪ グリッド線とは?
グリッドとは、タテとヨコの線がそれぞれ等間隔にひかれたマス目のことです。
美術におけるグリッド線のマスの形は正方形の場合が主ですが、長方形の場合もあります。
使いやすいほうを選びましょう。

方眼は正方形のマス目のみで
構成されるグリッド線ですね。

うさぎは正方形で
やってみよっと!
モチーフの画像にグリッド線をひいて、支持体にもタテ・ヨコ同じ数のグリッド線をひいて1マスずつ形を写していけば、どのようなサイズにも拡大・縮小が可能です。
グリッド線はデジタルの画像加工やおえかきアプリにも導入されている機能なので、印刷することに気が進まない場合も気軽にトライできる線画を描く手段です。
▪ 必要な道具

ひとつずつみていきます。
モチーフの画像
印刷したものでも、タブレットやパソコンなどで映しだすデジタル画像でも大丈夫です。

管理人はアナログ紙派です。
印刷する場合は、大きめのサイズの紙を使ったほうがみやすいです。
モチーフ画像の細かさによって、A3かA4、B4あたりを選びます。
長めの定規
印刷した紙と支持体に線をひくために使います。
短すぎると1本の線をひくのに苦労するので、紙と支持体の長い辺よりも長い定規があると便利です。

・・・という管理人ですが
じぶんは15cm定規で
ちみちみ線をひくこともあります。
鉛筆もしくは シャープペンシルなど
消しゴムで消せるものなら基本的に何でもOKです。
じぶんが描きやすいものを選びましょう。

芯の濃さも
お好みでよいと思います。

おすすめは
4H~4Bのあいだだって。
▪ 手順
1.支持体に線をひく
タテかヨコのどちらかを選びます。
タテを選んだとして、タテをいくつのマスにわけるか決めます。
最も簡単なのは、10等分です。
タテの長さを ÷10 した長さが1マスの長さです。
計算してだした長さでタテを10等分にわけた線をひいていきます。
ヨコもタテの1マスと同じ長さで線をひいていきます。

タテを基準にしているので
ヨコは必ずしも等分できるとは
かぎりません。

ヨコはマス目を
みぎスタートにするか
ひだりスタートにするんだね。
2.モチーフを印刷した紙 or デジタルの画像に 1.と同じ数の線をひく
今回は 1.でタテを10等分したので、モチーフのほうもタテを10等分にします。
紙を使用する場合の手順は 1.と同じです。
デジタルツールの場合は、グリッド線を支持体にあわせる作業に戸惑ってしまう場合は、先にデジタル画像を等分して、デジタル画像のマスの数に支持体をあわせていくでもOKです。

1.と 2.は
順番が入れ替わっても
大丈夫です。

マス目のかずが
ばっちりあえばいいのね!
3.2.を参考に1マスずつ支持体に模写していく
1マスずつ形の輪郭を写していきます。
もっとマス目を細かくしたい場合、線を追加してもOKです。
マス目が細かければ細かいほど、形の正確性をアップさせることがしやすいです。

そのぶん手間は
増えますけどね・・・
▪ ポイント
1マスずつ無心で輪郭線を写していきます。
全体の形に目を向けてしまうと、どうしてもじぶんのクセがでてしまいます。
本当は斜め45度の角度にのびる線なのに、思い込みで30度くらいの角度で描いてしまう・・・みたいなことが起こりやすいので、目の前の1マスに集中していきましょう。

転写と同様
影や光、色の境目も
しっかりと写していくと
写実性が増した絵が描けますよ。
3. モチーフ(描く対象)を見ながら描く
難易度
細かさ

これは単にみながら描く、
いわゆる一般的な描きかたですね。
この項目では、必要な道具についてのみまとめていきます。
▪ 必要な道具

ひとつずつみていきます。
モチーフ(写真でも可)
描きたいものを目の前にセットして描くと本格的です。

モチーフのセッティングは
照明や構成など
いろいろ考えることが多いので
ちょっぴりめんどうかも・・・

うさぎは写真つかう~。
動物や人など、動くものを描く場合は写真を使用すると描きやすいです。
鉛筆もしくは シャープペンシルなど
消しゴムで消せるものなら基本的に何でもOKです。
じぶんが描きやすいものを選びましょう。

まっくろになっちゃうけど
木炭つかってみようかな。
ねりゴム(ねりけし、消しゴム)
ねりゴムは画材店で販売しているものでなくても、こども用の文房具ねり消しでも普通に使えます。

小学生の頃集めてた
ねり消しコレクションが
今になって大活躍中です。
まとめ
『気軽におえかき』をテーマに線画の描きかたをご紹介してみました。
絵の描きかたに正解はないので、この他にもじぶんにあったもっと気軽にトライできる描きかたがあれば、どんどんじぶん流の描きかたをあみだしていきましょう◎

最後までお読みいただき
ありがとうございました!