
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
管理人はとある文化教室にて だれでも気軽に簡単に を課題とした大人向けおえかき講座を月に3,4回程担当しています。
回によっていろいろな画材を使っているのですが、一番人気なのは油絵の講座です。
美大をでていないただのおえかきオタクな管理人と油絵の出会いは、趣味で通いはじめた文化教室でした。
そして、画家を志してからはほぼ独学で油絵について学びを深めました。
技法書や情報通信網上にあふれる情報をたよりに様々な描きかたを実践し、むずかしいことをほぼ取っ払った簡単な描きかたをまとめ、講座で体験していただいてます。
これからもだれでも気軽に簡単にを更に追及していく予定ですので、今回ご紹介する色塗りの提案は今後進化していくかもしれませんが、この記事でご紹介する色塗りも生徒さんから好評なので、気軽に試していただけたら嬉しいです◎

一緒に学ばせてな~。

実践に関係ある要点のみ
知りたいかたは
ココ を押してください。
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色ってそもそもなに?
ひとことでいうと、色はモノに当たった光です。

太陽の光が一般的やな!
光がなければ色はみえません。
もうひとつ、光を感知する感知器がなければ色は知覚できません。

人間の目は
青から赤までの光を
感じとる感知器です。
▪ 三原色について
三原色には、色 ver. と 光 ver. があります。
色 の三原色
赤・青・黄
光 の三原色
赤・青・緑
両方に 赤・青 はありますが、色の三原色は黄色、光の三原色は緑色が仲間となっています。

色の三原色 赤・青・黄。
厳密には
マゼンタ・シアン・イエロー
といいます。

マゼンタは赤というより
ピンクっぽいな!

いわゆる赤・青・黄では
あらゆる色を作ることは困難です。
印刷の三原色である
マゼンタ・シアン・イエローのほうが
鮮やかな色をたくさん
つくることができます◎
なぜ、 色と光の三原色の仲間が異なるのかについてまとめた記事 があります。
より掘り下げたいかたは確認してみてください◎
▪ 色の三原色について
「色の三原色があれば、どんな色でも作ることができる!」という話をよく聞くと思います。

確かに大体の色は
作ることができます。
製造者ごとに色の三原色に該当する絵具を教えてくれています。
ただ、これは厳密にいえば『色の三原色にもっとも近い色の絵具』ということで、色はあくまで光によってみえるものということを念頭に考えなくてはいけません。

絵具の色は光をはねかえすことで
色がみえる物体色やからやな!

赤い光と青い光を重ねて作った
光のマゼンタと
絵具の物体としてのマゼンタは
完全に同じものにはなれません。
もうひとつ、光の種類(色)によって物体の色の見えかたは変わります。
黄色い物体 バナナ を例に考えてみます。
赤い光のなかで黄色いバナナをみると、赤いバナナにみえます。
緑の光のなかで黄色いバナナをみると、緑色のバナナにみえます。
青い光のなかで黄色いバナナをみると、黒いバナナにみえます。
赤と緑の光がそろってはじめてバナナが黄色くみえるのです。

以下の図をみてください。
光の原理によって
バナナの色のみえかたが
変わるわけです。


黄色いモノなのに
黄色くみえんこともあるのが
物体色なんやな・・・
続いて、絵具の性質のひとつである 着色力 についてです。
青い絵具と赤い絵具を同じ量ずつ混ぜたとき、必ずしも単純な紫色になるとは限りません。
青みが強かったり、赤みが強かったり・・・
どちらかに片寄ることがほとんどだと思います。
その理由は、絵具によって着色力がちがうからです。
これも物体色ゆえに発生する事案といえます。

絵具には強さがあり
強い絵具は弱い絵具を
くってのみこんでしまうのです。

絵具の世界も
弱肉強食なんやな!
各メーカーの三原色
ここから実践編です。
次の製造者が提示する三原色(印刷の三原色)をまとめていきます。
また、油絵具は製造者ごとにいくつかの商品群が展開されているので、画材屋さんで商品を探す場合はその点も要注意です。
ホルベイン
Holbein Artists’ Oil Color の三原色
キナクリドン マゼンタ
H137
ポリ アゾ イエロー
H066
フタロ ブルー
H124
高品位油絵具 ヴェルネ の三原色
キナクリドン マゼンタ
V003
イミダゾロン イエロー
V025
フタロシアニン ブルー
V044
油一 の三原色
キナクリドン マゼンタ
Y043
ベンズイミダゾロン イエロー
Y013
フタロシアニン ブルー
Y033
アカデミック の三原色
ローズ バイオレット
Y043
カドミウム イエロー ライト ヒュー
B609
セルリアン ブルー ヒュー
B631
クサカベ
クサカベ油絵具 の三原色
キナクリドンマゼンタ
008
パーマネントイエローライト
124
オリエンタルブルー
035
ミノー油絵具 の三原色
キナクリドンマゼンタ
45
キノフタロンイエロー
30
フタロブルー
14
スタンダードオイルカラー の三原色
キナクリドンマゼンタ
008
パーマネントイエローライト
124
オリエンタルブルー
035
マツダ
専門家用油絵具 の三原色
マゼンタ
153
パーマネントイエロー
135
チャイニーズブルー
104
スーパー油絵具 の三原色
スーパーマゼンタ
1516
パーマネントイエローライト
1419
シアニンブルー
1208
マイメリ

マイメリでは
プライマリー とあたまにつく絵具が
三原色に該当します。
クラシコ の三原色
プライマリーレッドマジェンタ
256
プライマリーイエロー
116
プライマリーブルーシアン
400
色の作りかた
前の見出しでご紹介した 色の三原色 と 白 を使えば、基本的にどのような色でも作ることができます。
その他に 黒、茶色(バーントシェンナ)があれば三原色から茶色や黒を作る手間が省けて便利です。
また、一般的にいう 赤・青・黄 の色かつ不透明の絵具を追加すると、彩度の低い落ち着いた色を簡単に作れます。

マゼンタ・イエロー・シアンを
混ぜて作る色はとても鮮やかな
色になります。


上の図をみてください。
左半分が印刷の三原色による混色
右半分が赤・青・黄による混色の結果です。

デジタルの数値で
計算したモノやから
あくまで
目安としてとらえてな。

右のほうが
暗めの色合いになってますね。
絵具の混ぜかた ポイント
作りたい色がイメージできたら、実際に絵具を混ぜていきます。
▪ 絵具はナイフで混ぜるときちんと混ざる


油絵具を混色するときは
ナイフ を使うことをおすすめします。

ナイフ?
油絵で使う ナイフ には大きくわけて2種類あります。
ペインティングナイフ と パレットナイフ です。

どこがどう違うんや?!
ペインティングナイフ はその名の通り絵を描くときに使います。
ヨコから見ると、持ち手に付いた金属部分がくの字になっています。

左官屋さんが使う
コテみたいな形やな。
パレットナイフ はその名の通りパレット上で使います。
絵具を混ぜることが主な用途です。
ヨコからみると、持ち手からまっすぐに平な金属がのびている形状です。
わけて説明しましたが、こうしなければならない という厳密な決まりはないので、使いやすいナイフを選ぶと良いと思います。

管理人は
ペインティングナイフで
絵具を混色しています。
筆で絵具を混ぜることは、ダメというわけではありませんが、筆の根元に色がたまってきちんと混ざりきらない場合があるので、ナイフで混色することをおすすめします。

混ざりきっていない絵具の
色の大理石柄感を
楽しむ描きかたもありかも。
▪ 混ぜる絵具の種類が増えるほど色はにごる
油絵具の12色セットで絵を描こうとする場合、ついついたくさんの絵具を使ってしまうこともあると思います。
絵具は3種類以上まぜないほうが良いとされる理由は、混ぜる絵具の種類が多ければ多いほど、色はにごるという特徴にあります。
とはいえ、時ににごった色は他の色を際立たせてくれたり、にごったというよりも渋くて落ち着きのある画面が作れたりと悪いことばかりではありません。
大切なことは、じぶんが「いいな!」と思う色が作ることです。
他の人に何と言われようと、じぶんが納得のいく色であれば 正解 なので、次のことだけおさえておきましょう。
混ぜる絵具の種類が多ければ多いほど、色はにごる
色鮮やかな絵を描きたい場合は、混ぜる絵具は3色まで にしておきましょう。
※白は色数に含めない
▪ 作りたい色に最も近い絵具をベースに混ぜていく

「明るい色を基準に色を混ぜていきましょう!」といわれることもありますが、それは作りたい色が明るい色の場合です。
例えば、限りなく黒に近い灰色を作りたいとして、白を基準に黒を混ぜていくと必要な量より多い灰色を作ってしまうことになります。
「絵具は捨てた分だけ絵が上手になる」という根性論をよく聞きますが、それはじぶんが考えぬいて試した場合の失敗分の ❝捨て❞ に限りです。
考えなしにやみくもに絵具を無駄にしていってもただもったいないだけなので、じぶんなりに考えて適量の絵具を使いつつ混色技術を磨きましょう。
▪ 初心者さんは印刷の三原色での混色がおすすめ

印刷の三原色である マゼンタ・イエロー・シアン で色の基本を作り、 ホワイト・ブラック で明度の調節をする という混色方法が挑戦しやすいと思います。
使う色数をしぼることは、絵にまとまりがでやすいという利点もあります。
なれてきたら徐々に絵具を増やしたり減らしたりしつつ、じぶんだけの絵具の一軍・二軍などを決めていきましょう。

スポーツみたいやな。
まとめ
今回は油絵具の混ぜかたのコツについてふれてみました。
実際にじぶんの手で絵具を混ぜると、思わぬ発見があるかもれません。
お気に入りの絵具や混ぜて作った色ができたら、管理人にこっそり教えてもらえたら嬉しいです◎

最後までお読みいただき
ありがとうございました!