
『えかきのおえかき草紙』へ
ようこそ!
管理人のもげらです。
油絵で使う支持体の代表は、キャンバス・木製パネルです。
今回は、支持体の中でも最もポピュラーなキャンバスについてまとめていきます。

うさぎもしりたい!
今回はキャンバスに着目していますが、支持体のサイズや種類についてまとめた記事を書きました。

リンクをペタッときます。
気になるかたは、是非チェックしてみてください。
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上記記事の油絵キャンバスについて、ポイントをまとめると・・・
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キャンバスとは

木の枠にキャンバス(画布)を張ったものを張りキャンバスと呼びます。
張りキャンバスの他に、10mの長さを筒状に巻いたロールキャンバスや号数に合わせてカットされた状態のカットキャンバスも販売されています。
ロールや画布のみで購入した場合、じぶんで別売りの木枠を用意し、キャンバスを張る作業が必要となります。
じぶんでキャンバスの張り作業をする場合、キャンバス張り器やガンタッカーなどの道具を揃えなければなりません。
画材店で張り作業用の道具を揃える場合、なかなかの出費になりますので、予算によってじぶんで張るか、張りキャンバスを購入するか考えてみてください。

管理人はホームセンターで1000円前後で購入したガンタッカーを使ってます。

こんかいは 張りキャンバス をかってみよっと。
また、キャンバスには、油性タイプと水性タイプ、油・水兼用タイプの3種類があります。

それぞれについてみてみましょう。
油絵専用の油性キャンバス
油絵でのみ使用できるのが、油性キャンバスです。
目止め処理と地塗りまでがされていて、地塗り材では油が混ぜられた塗料を使用されています。
油を使っているため油性タイプとなるわけですが、油性キャンバスは非吸収性キャンバスです。
非吸収性キャンバスなので、油分が吸い取られる心配はありません。

油分が吸いとられると、油絵特有のツヤ感がなくなり、パサパサした絵肌になってしまいます。
描き進めかたとしては、よく技法書などで紹介されている
はじめはテレピン(揮発性油)でおつゆ描き、仕上げに進むにつれて乾性油を多くしていく描きかた
・・・が定番です。
そして大事な注意事項です。
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油性キャンバスにアクリル画材など水性画材を使って描くこと

油絵用キャンバスや油絵具の上にジェッソなど水性の塗料を塗ると、あとからボロッとはがれてしまうことが・・・(体験談)
油絵&アクリル絵画兼用のキャンバス
油絵でも水性のアクリル画材でも、どちらでも使用できるのが兼用キャンバスです。
このタイプは比較的安価で、画材屋さんでもよくみかけます。
ジェッソでじぶん好みの下地を作ってから油絵具で描く
乾くのがはやいアクリル絵具でざっくり形をとってから、油絵具で描きこんでいく
・・・といったことも可能です。
その場合の注意点がこちら。
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下地でアクリル画材を使用した場合は、完全に水が抜けきるまで乾燥させることが大切です。
水が完全に抜けきる前に油絵具を使ってしまうと、あとから油絵具がポロッとしてしまう可能性があります。
完全に乾燥するまでに要する時間は、メーカー推奨の時間を参考にします。
管理人は心配性なので、最低でも2週間は乾燥の時間にあててます。

いちどはがれたことがあると、ふあんになっちゃうもんね。
兼用キャンバスは吸収性キャンバスのため、描きすすめかたとしてテレピン(揮発性油)のおつゆ描きはあまりおすすめできません。
吸収性ゆえに油絵具の油分を吸いとってしまうのと、そこへ更に絵具をパサパサにしがちなテレピンを多用すると、ツヤ感ゼロな油絵になってしまうからです。

あまりにもパッサパサになりすぎて、筆までボサボサになってしまったり・・・(体験談)
パサパサ感がじぶんの目指す表現である場合は、テレピンもじゃぶじゃぶ使用するのもありですが、最悪のケースだと、揮発性油の使いすぎで油絵具がきちんとキャンバスに固着せず、ボロッと剥離してしまうケースもありえます。
油性キャンバスにおいてもいえることですが、揮発性油を描きはじめから仕上げまでの全作業工程でバシャバシャ使用することは、やめておいたほうが無難です。

あとから絵具が剥離したり、絵具がひび割れしたという話は、地味によく聞く話です。

じぶんりゅうにえがくことは、きけんがいっぱい・・・?
アクリル絵画専用の水性キャンバス
アクリル絵画用のキャンバスは、目止め処理と地塗りがされていない、生キャンバスです。
もしも油絵で使用する場合は、じぶんで下地処理をする必要があります。

てっとり早く下地処理を済ませる方法は、ジェッソを塗ることだと思います。

管理人はジェッソを布目がみえなくなるくらい厚く塗るようにしています。

ジェッソをつかうときのポイントは、しっかりとかんそうさせる・・・だったね。
キャンバスの素材
キャンバスは何でできているか、素材をみていきます。
大きくわけて、キャンバスの素材には天然繊維と合成繊維が使用されています。
亜麻(天然繊維)
単に『麻』と呼ばれることもありますが、油絵のキャンバスでは、厳密にいうと亜麻(リネン)が使われています。

亜麻は丈夫で、織り目がずれにくく、下地塗料をしっかり定着させやすい素材です。
伸び縮みもしにくいので、木枠にきちんと張ることができれば、キャンバス布がたわんで困ったりすることもありません。

万一キャンバスがたわんだら、裏から霧吹きで少し水を吹きかけると再びキャンバスがピン!とはります。

ちょっとしたうらわざ?

しばらくすると、またたわんでたりしますけど・・・
気にせず油絵具で描き進めていく内に、たわみが気にならなくなるミラクルが起きますよ。
油による劣化などの影響も受けにくいため、油絵で使用するには、最も定番といえるキャンバスの素材です。

油に強いといっても、生キャンバスに直描きすると繊維は傷むので、下地処理することをおすすめします。

下地処理は
目止め処理&地塗り
・・・だったわね。
綿(天然繊維)
木綿、コットンとも呼びます。

亜麻よりも安価です。
また、亜麻よりもなめらかな質感の布となりますが、地塗り作業でジェッソや油絵具を布の繊維が消える程度に塗り重ねてしまえば、亜麻と綿の描き心地の相違は、管理人の場合は気になりません。
ただ、吸水性が高いために湿気によって伸び縮みするという困った点があります。
合成繊維
ポリエステルやヴィニロンなどが使用されています。
最もなめらかで、均一な織り目となっています。
綿のように湿度によっての伸び縮みすることがほぼないところが強みです。
生キャンバスの状態で、かなり真っ白です。
油絵よりも、アクリル絵具などの水性画材との相性のほうがよいといわれていますが、丈夫で安価、品質もきれいという強みもあり、人気がでてきています。

合成繊維オンリーでのキャンバスよりも、綿と合成繊維の混合タイプのほうがよくみかけます。
キャンバスの目の荒さ
荒目
布のでこぼこが目立つタイプです。
油絵の厚塗り技法 に向いてます。
中目
荒目と細目のあいだです。
どれにするか迷ったら、とりあえずあいだを取るという使い心地のよさがあります。
細目
細かく描きこみたい人におすすめです。
細密描写 をする場合、荒目や中目にジェッソをキャンバスのでこぼこをなくすくらい塗りこんでやすりをかけてツルツルにしたキャンバスを使う人もいます。
ジェッソでツルツルにしたキャンバスに描く場合
または
細目のキャンバスに描く場合
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描き心地もだいぶ変わるので、両方試してどちらが好みか探ってみるのもたのしいです。
まとめ
今回は、支持体のキャンバスについてまとめてみました。
この記事のポイントを箇条書きにしたものがこちら。
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【 キャンバスの形状 】
すぐ描けるタイプ
- 張りキャンバス
- キャンバスボード
画布単品タイプ
- ロールキャンバス
- カットキャンバス
【 用 途 】
- 油性キャンバス
- 油絵&アクリル兼用キャンバス
- アクリル用キャンバス(生キャンバス)
【 キャンバスの目 】
- 荒目
- 中目
- 細目
キャンバスひとつとっても、本当にたくさんの種類がありますね。

麻、綿、混合・・・
めうつりしちゃう!
おえかきにトライするみなさんが、お気に入りの支持体に出会えることを願ってます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!