
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
油絵を描いていて、こんな悩みはありませんか?
思った色がぜんぜん作れない・・・
混ぜれば混ぜるほど濁っていく・・・
パレットがいつの間にかドブ色になる

あるあるっ
気付くとドブ色になってんねん!
かくいう管理人も、頭の中のイメージとパレット上で混ぜて作った色が一致せず、たくさんの絵具を無駄にしてしまうなんてことがよくありました。

これって実は、
知識でカバーできることなんです。
この記事で詳しく解説していきますが、まずは要点をまとめると・・・
● 3色以上を一度に混ぜると濁りやすい
● 補色(反対の色)を無意識に混ぜるとドブ色になる
● 白・黒はほんの少量ずつ混ぜるが基本
● 三原色による混色では、ベースにする色を決めると迷わない
● 混色はつまようじレベルで 少しずつ様子を見るが絶対ルール
この5つを意識するだけで、色づくりの失敗が激減するんです!

脱・ドブ色!
色混ぜの失敗・濁る原因・三原色のコツ・補色の使いかた について管理人の経験も交えながら解説します。
油絵初心者さん必見です◎
油絵を描くのに必要な画材についてはコチラの記事にまとめてあります
油絵の色が濁るのはなぜ?初心者がやりがちな失敗4つ
色づくりでつまずく原因の多くは、実は油絵の色混ぜにありがちなクセにあります。
まずは典型的な失敗パターンを知っておくだけで、色の濁りをかなり防ぐことができます◎

オイラにも
クセあるのかなぁ。
実際、管理人自身も昔はここでつまずいていました。
油絵は乾く速度がゆっくりなので、一度キャンバス上の色が濁ってしまうとその日の内に立て直すことは難しいです。

色が濁ると
「なんでこうなってしまったの・・・?」
・・・と途方に暮れてしまいがちです。
初心者さんの色の濁りトラブルには、実は共通点があります。
ここでは、特に多い4つを紹介します。
色が濁る原因とは?
色が濁る理由・・・
実はとてもシンプルで、ほとんどの場合が次のどれかが原因です。
1.絵具を混ぜすぎている

たくさんの色の絵具を混ぜ合わせる程、色は「透明感」を失い、灰色感が増していきます。
特に 3色以上の絵具を一気に混ぜる と、ほぼ確実に濁りやすくなります。
特に油絵具は単色顔料と複数の顔料から色が作られている絵具があり、使った絵具は3色でも、結果としてより複雑な混色を知らない内にしてしまっている・・・なんてこともあるんです。

絵具に使われてる顔料も
よくチェックしてみよっと。
2.無意識に補色(反対の色)を混ぜてしまう

色相環という色のグラデーショングラフがあるのですが、その反対にある色が補色です。

地球でいうと
日本とブラジルの関係やな?
補色同士を混色すると、色はくすみます。
例えば、赤の明るさを下げようとして、緑っぽい色をたくさん混ぜてしまうとドブ色になりがちです。
色の鮮やかさを保ったまま色を暗くするには、色相環でお隣さん同士の色を使うとドブ色を回避できます。
3.白・黒を入れすぎている
白は「彩度」を落とし、黒は「色相」を曖昧にします。
どちらも便利ですが、少量ずつ試すほうがきれいに仕上がります。

白と黒・・・
どちらも入れすぎると
色が濁ってしまいます。
白と黒の特徴については、コチラの記事で詳しく解説しています
油絵の白絵具の種類と使いかた
油絵の黒色絵具の使いわけ
4.パレットで色を作らずキャンバス上で混ぜてしまう
乾きが遅いという特徴を持つ油絵では、キャンバス上で色をこねるとすぐ濁ります。
1.絵具を混ぜすぎている で触れたように、キャンバス上で何色もの絵具を混ぜることにつながるからです。
パレットで絵具を混ぜ、思った色を完成させてからキャンバスに置く という方法が油絵にまだ慣れない内はおすすめです。

慣れるまではパレット上で完結
慣れてきたらキャンバス上でも混ぜる
この順番で練習すれば
上達がとてもスムーズです◎
明るさ・暗さの調整で濁る原因と対処法
「あとほんのちょっと明るくしたい」「少しだけ暗くしたい」
こういった微調整は、初心者さんにとっては難関だと思います。

程よいサジ加減っちゅーヤツやな。
1.白を入れすぎると彩度が落ちる

白は色を明るくしてくれますが、他の色をくすませる色でもあります。
白を混ぜることで、本来の色みは失われます。

特にチタニウムホワイトは
全てを覆い隠す程強い白なので、
ハイライトには向きますが
混色の扱いが難しいかもしれません。
透明度の高いジンクホワイトが混色用の絵具としては扱いやすいですが、ジンクホワイトを下層で使うと、後から絵具がはがれてしまうというアクシデントも発生したり・・・
そこで管理人がよく使う混色用の白は、ホルベインのセラミックホワイトです。
他の白より少しお高めですが、透明度も適度にあるのでお気に入りです。
混色で白のパワーが強すぎると失敗しやすいという初心者あるあるを避けるために、セラミックホワイトなどの透明度のバランスが良い白を使うと混色が楽になります◎
2.黒だけで暗くすると沈んだ色になる
黒を入れるとすすぼけたような色になることがあります。
また、色の深みをのみこんでしまいがちなのが黒色なので、混色に慣れない内はあまり使わないほうが無難です。
とは言っても、使いかたによっては非常に便利な色なので、黒を混ぜる時は、ほんの少しずつ・・・耳かき1杯程度ずつ、使ってみてください。

黒入れすぎてもうて
何が何だか
わからんくなったことあるわ。
3.色が思い通りにならない時のリセット術
思った色が作れず、気付くとパレットの上によくわからんドブ色の山ができているパターンがあります。
もったいないですが、そういう時は一度全部絵具を端によけて、シンプルに一から色を作り直すほうが早いです。

どうしても絵具を捨てたくない場合、
地塗りとして使うのもひとつの手です。
三原色で思い通りの色を作るコツ

油絵で色を作る時、「どの色を混ぜればいいか分からない・・・」と悩んでしまうと思います。
パレット上で迷子になって、気付くとそこにはドブ色の山が・・・

ドブ色の迷宮や。
でも実は、色づくりは三原色(赤・青・黄)さえしっかり理解していれば、シンプルにこなせるようになるんです。
三原色の組み合わせかたと少しのコツを押さえるだけで、ほとんどの色を効率よく作ることが可能です。
三原色の混色についてはコチラの記事に詳しくまとめてあります
三原色で混色する時のポイント

ここでは、印刷の三原色である赤・青・黄について考えていきます。
この三原色があれば、ほとんどの色を作ることが可能です。

マゼンタ
シアン
イエロー・・・のことです。

いわゆる赤青黄ではないんやな。
混色時のポイントは、色を混ぜすぎないこととベースになる色を意識することです。
1.混色はまずベースの色を決めるべし!
色を混ぜる時は、まずベースとなる色を決めます。
例えば、紫を作ろうと思った時・・
自分が思う色が赤寄りの紫なのか、青色の紫なのかについて考えます。
赤に少量の青を混ぜると、赤紫になりますが、青に少量の赤を加えると青紫になります。
「どちらをベースにするか」で完成する色の風合いが変わるので、まずはベース色を決めてから混ぜると失敗が少ないです。
2.三原色の2色混ぜで基本色を作るべし!
2色混色の組み合わせから練習しましょう。
- 赤+青=紫
- 赤+黄=赤
- 青+黄=緑
ここで大切なのは、まずベースにする色を決めてから、もう片方の色を少量ずつ混ぜることです。
多く混ぜすぎると色が大きく変わるので、少しずつ色の変化を確認しながら足していくのがコツです。

つまようじの先に
付いたくらいの量でも
色って変わるんやな・・・!
また、絵具には強さがあります。
同じ量を混ぜても、どちらかがもう一方をのみこんでしまう場合があるんです。
これを絵具の隠蔽力・着色力と言います。
メーカーによっては強さのレベルが絵具のラベルに書いてあるので、混色の際の参考にしてみると、「うっかり色を加えすぎちゃった!」というアクシデントを防げます。
3.混色おぼえがき帳を作って色の再現性を上げるべし!
紙パレットの切れ端や使わなくなったキャンバスなどに混ぜた色をサンプルとして残すと、後で同じ色を作りたい時の参考になります。
管理人もこの方法で、パレット上の「迷子色」を減らすことができました◎

色の記録、大事やな!
・・・ちょいと面倒やけど。
白・黒を使わずに自然な明暗を作る方法
ここまでの内容でも軽く触れてきましたが、色を作る時、明るさや暗さを調整するために白や黒を使うことがあります。
ただし、せっかくの鮮やかな色が濁ってしまうことがあるので、要注意です。
色を濁らせず明暗を付けるには、次の方法があります。
この方法だと、自然なトーンの明暗を作ることが可能です◎

いずれにせよ
混色する時はちょっとずつやな!
補色を使って色をきれいに見せるテクニック
色を作る時、「なんだかパッとしない・・・」「少しさびしい印象になってしまった・・・」と感じたことはありませんか?
そんな時に強い味方になるのが 補色 です。
補色を上手に組み合わせると、色の鮮やかさや奥行きが引き立ちます。
逆に、補色を知らずに混ぜてしまうと、色の濁りの原因にもなるんです。
ここからは、補色とは何か、そして絵具の量や混ぜかたの工夫まで、実践的なコツを解説します。
補色とは?色相環での位置関係

補色とは、色相環で 正反対に位置する色の組み合わせ のことを指します。
例えば、赤と緑/青とオレンジ/黄と紫などです。

地球でいうと
日本とブラジルの関係やな!
※2回目

補色の使いかたは2通りあります。
①混色せず隣に並べて置く
②少しだけ混色する
補色を混ぜずに隣に置くメリット
補色同士をキャンバス上で並べると互いの色を引き立たせあって、鮮やかさや奥行きを感じさせる効果がうまれます。

補色関係にある色ばかり
隣に置きあって描き進めると
非常~に
にぎにぎしい画面になります。

目立たせたいところに使えば
効果はバツグンやな?!
補色を少量混ぜて彩度を調整する方法
混色に補色を使うと、少し落ち着いた色ができ、いい感じの陰影を表現することが可能です。

混色する時は
必ず少量ずつ!!です。

そろそろ耳にタコできるで!
補色の基本を理解しておけば、パレットの上で迷うことは減ります。
混色で失敗しないための絵具の量と混ぜかた
混色で必ず押さえておきたいポイントは、少量ずつ絵具を足して確認することです。
「ちょっと色を暗くしたい」「少し彩度を落としたい」と思っても、いきなりたくさん混ぜるとドブ色一直線なので、要注意です。

具体的な解決策教えてや~。

管理人は
次の方法をおすすめします。

なるほど。
塗る前に見比べて
チェックするんやな。

混ぜると濁るということを意識すると
混色による大きな失敗は
比較的回避できます◎
色が濁った時の直しかた【油絵ならではのリカバリー術】
これまで紹介した方法をすべて守ったとしても、油絵を描いていると、どうしても色が濁ってしまうことがあります。
でも大丈夫!安心してください◎
油絵にはリカバリーできる方法があるんです。

失敗が失敗にならない!
それが油絵の魅力のひとつです◎

どゆこと???
濁りを拭き取って上から重ねる
濁った色の上に、明るい色や鮮やかな色を部分的に重ねて調整する方法です。
まず、濁ってしまった部分の絵具を、ボロ布やキッチンペーパーなどでぬぐい取ります。
色は完全には取り切れませんが、その若干の色残りは、かえって絵の全体の色調を整える隠し味的な役割をしてくれます。
絵具をぬぐい取ったら、上から重ねて描き進めていきましょう◎
乾いてから塗りつぶす
どうしても納得いかない部分は、完全に乾いてから新しい色を上から塗り重ねる方法もあります。
乾く前に塗り重ねると、下の色と混ざってしまい、意図しない濁りをさらに広げてしまう原因にもなり得ます。
数日待って指触乾燥(絵具の表面乾燥)してから手を加えると安心です。
ちなみに、濁った色の隣に鮮やかな色を置くと、より鮮やかさが際立ちます。
濁った色をあえて少し残してみるのもぜひ試してみてください。

こなれ感のある表現が
出来たりしちゃいます。
まとめ|思った色を自由に作るための練習法
油絵で色が思い通りに作れないのは、誰でも通る道です。
大切なのは、「失敗=無駄」ではなく、学びの材料にすることです。

色づくりは感覚だけでなく
ちょっとした予備知識があれば
より作業がしやすくなります。
具体的な練習法をまとめると・・・
混色すればする程に、思った色を自由に作れる感覚が生まれてきます。
失敗を恐れず、少しずつ色づくりに慣れていきましょう◎

最後までお読みいただき
ありがとうございました!



