
『おえかき草紙』へようこそ!
管理人の もげら です。
このテーマは全4回でお届けします。
今回の第3回では、「納得できる価格の見つけかた & 価格を育てる視点」についてお届けします◎
「絵を販売してみたい!でも―・・・」
いろんな疑問が頭に浮かんで、価格設定で手が止まってしまうこと、ありませんか?

管理人も最初はそうだったな・・・
管理人は、材料費すら回収できない価格で売りに出し、あとで後悔・・・なんてことも経験済みです(笑)
作品価格って、売れるかどうかも勿論ですが、モチベーションや活動の継続に直結する大事な要素でもあるのです。
今回は、価格の悩みについて、管理人の体験談を交えながら、
についてお話していきます◎
納得できる価格の見つけかた
絵の価格を決定するには、売れるかどうかも勿論大切な要素のひとつです。
しかし、それ以前に、自分が納得できる価格であることがとても重要です。
ひとつずつ見てみましょう◎
自分の「最低ライン」を知る

最低ラインってなんや?
絵の販売価格を決める時、まず一番に考えるべきことは、その絵を描いて販売・発送までにかかった金額です。
ざっくりでもいいので、「この金額より下だと赤字になる」というラインを把握しておくことがポイントです。

赤字になるギリギリのライン・・・
それが最低ラインです。
1.材料費を見える化しよう
まずは材料費から考えてみます。
キャンバス・絵具・筆・メディウムなど、絵を1枚描くのにどれくらいのコストがかかっているか、把握できていますか?

意外とわかりにくいですよね・・・

何か例あげて!
例えば。
F6号サイズの油絵作品について考えてみましょう
項 目 | 内 容 | 目 安 金 額(円) |
---|---|---|
キャンバス | 張りキャンバスF6号 | 1,000 |
絵 具 | 油絵具(複数色) | 1,500 |
筆・ナイフ・パレット等 | 消耗分として一部 | 500 |
メディウム・溶き油 | 約1作品分の使用量 | 300 |
合 計 | – | 3,800円 程度 |
あくまで一例ですが、これだけでも4,000円程度かかります。
絵具やキャンバス・道具をこだわる場合、金額はもっとかかりますし、逆に安価なモノだけで済ませれば、もっと安くあげることも可能です。
2.制作時間も見えないコスト
「1枚描くのに20時間かかった」としたら、仮に時給1,000円で換算しても2万円分の労力になります。
もちろんアート制作に時給換算が正しいとは限りませんが、作業時間を意識することで、価格の根拠が明確にもなります。

価格を吊り上げるために
わざとモタモタ描く・・・
なんてことはナンセンスです。

モタモタ戦法、
ちょっと考えてもうたわ・・・
3.額装・搬送・展示費もしっかりチェック
こういった経費は忘れがちな内容です。
何も考えずにとにかく安くしようとすると、赤字どころか持ち出し続きに・・・ということにもなりかねません。
展示によっては、在廊必須だったり、搬入出を作家自身で行うケースもあるので、そのあたりを把握しておくことも重要です。

自宅から遠い展示会場で
在廊必須の展示だと
交通費と宿泊費・・・旅行です。
結論|赤字にならないラインを持つ=自分を守ること

材料費・時間・経費を合算し、最低限クリアすべき価格ラインを自分で知っておくことは、作家活動がなあなあで活気のないモノになってしまわないための防衛線になります。
「安くすれば売れるかも!」ではなく、
「この価格より安いと、自分が苦しくなる」という視点を持つことが重要です。
モチベーションと価格は繋がっている
価格を決める時、「安ければ売れるだろう」と思いがちですが、実際には安すぎる価格設定が必ずしも成功に繋がるわけではありません。
逆に、安すぎるのに売れないという現実に直面した時、そのギャップから来るストレスがかなり大きいことを実感したことがある方も多いのではないでしょうか。
「こんなに安くしてるのに、なんで売れないんだろう?」と、自分の作品に自信がなくなってしまう可能性もあります。

それ、キッツいなぁ・・・
価格とモチベーションは密接に関係しています。
価格が自分の納得できるものでないと、作品に対して自信を持てなくなり、結果的に「どうせ売れないんだろうし・・・」と思い込んでしまうこともあります。
もし、初めから価格を安く設定してしまったとして。
その価格帯が続くことで、次第に自分の作品に対する評価が低く感じてしまいます。
そして、「こんなに安いならもっと頑張らなきゃ・・・」というプレッシャーに押しつぶされそうになります。

逆に
価格を気持ち高めに設定してみると・・・

高価格は
最初は勇気いりそうやなぁ・・・
作品が売れた時、自分の作品の価値に自信が持てるようになります。
それがモチベーションにも良い影響を与えてくれます。
このように、価格設定一つでモチベーションは大きく変わります。
自分の作品にはそれに見合った価格があると信じ、少しでも自分の価値を過小評価しないように心掛けることが大切です。

過大すぎる評価もダメやで!
価格は育てていくもの
価格設定は、一度決めたら終わりではありません。
価格は育てていくものであり、徐々に自分の経験と共に変化していくものです。
最初は価格に自信が持てなかったとしても、出展や販売を繰り返す中で、徐々にその価格を高めたり調整していくことが可能です◎
継続して売れるなら少しずつ上げてOK
最初に価格を設定する際、「これが妥当かな?」と悩むことは多いですが、重要なのは継続して売れるようになったら少しずつ価格を上げていくことです。

号単価を
1,000円ずつ上げていく人もいれば
一気に10,000円上げる人もいます。
最初は不安もあって、低めに設定してしまうこともありますが、もし作品が順調に売れ続けているのであれば、価格を上げるタイミングが来ているということです。
「でも、急に値上げしたらお客様に嫌われるんじゃないか?」と思うかもしれません。
売れる作品に対して、適切な価格を設定することは全く問題ありません。
お客様は、あなたの作品に対して信頼と価値を感じているからこそ、購入してくださるわけです。
その信頼に応える形で少しずつ価格を上げていくことは、むしろ自然な流れです。

絵画を購入するのは
資産運用って場合もあるらしいで!
例えば、最初の半年は試験的に価格を低く設定し、売れると確信が持てた段階で、少しずつ上げていくのもありだと思います。
価格を上げても、お客様が感じる価値がそれに見合っていれば、作品が売れ続ける可能性は高いです。
少しずつでも、価格を育てていく感覚を意識すると良いと思います。

作家としてできることは、
絵のクオリティをあげることです◎
信頼を築きながら、価格に説得力を持たせる
価格を上げる際に重要なのは、お客様の信頼を絶対に裏切らないという姿勢です。
価格に説得力を持たせるためには、単に「高い」と感じさせるのではなく、その価格に見合うだけの価値を提供し続けることが最も重要です。
信頼関係は一朝一夕で築けるものではありませんが、時間をかけて作品を通じてお客様と信頼関係を築いていくことで、価格が上がっても受け入れていただける可能性は高いです。
実績と信頼が積み重なれば、価格を上げてもその価値が感じられるようになるんです。
また、作品に対するフィードバックや評価を大切にし、それを反映させることも重要です。
価格に説得力を持たせるためには、作品のクオリティを保ち続け、信頼をしっかりと築いていくことが必要です。
信頼を得ることができれば、価格が上がってもお客様は応援してくださいますし、作家自身も安心して次のステップへ進むことができると思います。
まとめ
最終的に大切なのは、自分の作品に自信を持ち、その価値をじっくりと育てながら、価格も自然に進化させていくことです。
焦らず一歩ずつ、あなたのアートをしっかりと守りながら進んでいきましょう◎
次回は、さらに深掘り!
販売時の実務的なチェックポイントを解説します◎
「売る前に何を準備しておくべきか?」を押さえて、作品をスムーズに販売できる準備を整えましょう!

最後までお読みいただき
ありがとうございました!